オオ、ジュニア!

~ありふれた少女の非凡な一日~

私は文化人になりたかった

 とても賢い先輩がなんだか難しそうな本を読んでいて、ふと思い出した。「そういえば、父もなんだか難しそうな科学雑誌をよく読んでいたなあ」と。幼い頃にそれを見た僕は「大人になると当たり前に"なんだか難しそうな本"を読むことになる」と思っていた。
 知人の賢い女性を思ってみる……絶対読んでいる。身近な友人を思ってみる……読んでた。何冊か借してもらって、苦い顔で読んだ記憶もある。いや、でも、兄は、弟は、あの人は……。